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アイ・ウェイウェイは謝らないのcamusonのレビュー・感想・評価

2.5
世界的に著名な中国人芸術家、アイ・ウェイウェイ(艾未未)
に密着したドキュメンタリー。
見た目からはウェイ系では無いと思われたのですが、
天安門に中指立てたり、ウェイウェイしてるようです。

芸術だけでなく、社会活動にも精力的。
浮浪者のような風貌からはなかなか想像できませんでしたが、
若いときにアメリカに留学して美術を学び、自由を学び、
英語も堪能なようです。


アイ・ウェイウェイ自身は、
一芸術家と言うよりは、総合プロデューサー的な立ち位置で、
欧米のメディアを通して自身の活動を訴え、パトロンを得て、
大型作品の構想を練り、人海戦術で職人を動員し作品をつくらせています。

表現の自由がない中国国内にあっては、
芸術活動も社会活動も共産党への敵対行為という意味でほぼ同義となり、
活動として渾然一体となっているのが興味深かったです。

やっていることは尊いと思うのですが、
すべて中国共産党という存在が前提の活動であって、
アンチ中国共産党の看板を外したらどうなのかと考えると、
純粋な芸術を究めようという方向性ではないし、
社会性があると行っても、先進的な課題に立ち向かっているわけでもないし、
評価することができなくなるのですよね。
作品が悪いとは思いませんが・・・いや、むしろソツなく良くできてると思います。

中国って、いまだにいろいろと大変だよなと同情する反面、
その中でむしろ強かに生きてるなという印象も持ちました。

ドキュメンタリーとしては可も無く不可も無しといったところでしょうか。
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