タコ社長

徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑のタコ社長のレビュー・感想・評価

3.5
人間の潜在的欲求である野蛮さを余すところなく露呈していた。
大義名分で残虐非道の刑罰を次々と。牛裂き刑においては本当に目が当てられないけど、その非道さに興奮する一面もどこかであるものです 。人間はこんなことをしてしまう生き物なんですよね。
陵辱を受ければ受けるほど(男性客へのサービスだろうけどしつこかった!(笑))妙に征服感や残虐性を刺激する。
高坂主膳は最終的に一万石の大名となった…というナレーションに忌々しさを感じつつも、それも含めて映画の目的は達成されてるのですよね。
偉そうな感想でごめんなさい!
汐路章(ヤスのモチーフになった方らしい!)先輩、完全なるMVP。キセルのくだりはお見事でした。

後半戦の川谷拓三兄貴パートは、ほんのりコメディタッチで少し救われた!…と思ったのも束の間、女郎屋での様々な仕打ちの数々は陰湿で、特に犬を使った責め苦は淫靡さの極致でもありました。女郎屋毎にルールはあったんでしょうが、堕胎させたその日から客をとらせたり足抜けに於ける懲罰は他の女郎たちへの見せしめもあったのだと思います。夜鷹の歴史も興味深い。
美人局であっけなく捕縛されるという愛すべき二人の逃避行でした。拷問シーンは残酷ですがそれより切なさが勝る…。
兄貴、皆に愛されてたんだなあ。
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