Maoryu002

鑑定士と顔のない依頼人のMaoryu002のレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.0
美術鑑定士のヴァージルと姿を見せない依頼人クレアとの不思議な恋愛をミステリーを交えて描いた作品。

ヴァージルとクレアの距離が徐々に縮まっていく様子が歯がゆくも楽しいんだけど、同時にヴァージルの友人のロバートが何か怪しい…
で、予想どおり見事に騙されて崩れていくヴァージルの姿が悲しすぎるのだ。しかし、ヴァージルは騙されたとわかっても、怒るわけでもなく警察に行くでもない。
それは若い女性に夢中になった自分を恥じるとともに、素晴らしい世界を教えてくれた彼女に感謝していたのではないだろうか。
そして、甘美な時間を忘れられずに、彼女の思い出の店で彼女を待ち続けて映画は終わっていく。

途中、ヴァージルは古くからの友人であるビリーに言われていたのだ。
「人間の感情は芸術品と同じで偽造できる。まるで本物に見える。だが偽りだ。何事も偽装できるのだ。喜び、苦しみ、憎しみ、病気、回復、愛さえも。」
これはビリ―の忠告だったのか、勝利宣言だったのか。

要するに、若くて綺麗な女の子と年寄りのロマンスなんてこんなもの、ってことかな。笑
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