ZEPHYR

鑑定士と顔のない依頼人のZEPHYRのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます


絵画の女性しか愛せない鑑定士のヴァージル。
彼はオークションで好みの絵画が出品される度に
協力者に落札させ、自分に転売することで
女性絵画をコレクションしていた。

そんな彼に ある女性から査定の依頼が舞い込んだ。
女性の住む屋敷に出向くヴァージルだが、
何故か依頼人の女性は頑なに姿を見せない。

不審に思うヴァージルだったが、
屋敷にある美術品の一部が転がっている事に気づく。
彼は他の部品も手に入れようと企み
依頼人の要望に応えながら屋敷に通うが
2人は同じ時間を過ごすことで
次第に惹かれあっていき―――

🐾
主要登場人物に善人がいないのがポイント。
どんでん返しよりも人間模様がメインとなり
これによって賛否が別れるのかな。

でもやっぱり鑑定士ヴァージルの想いを
心の中でこっそり応援してたところもあるから
最後の展開は辛く感じてしまった。

“どんな贋作の中にも真実が宿る”
作中で放たれたこの台詞は、
物語の中で色々な形を表してくれたと思う。

「もっと明るいエンディングにしようと思う」
作家としてクレアが言ったこの台詞は
実は計画の打ち合わせだったとも受け取れる。

でももしそうであればその優しさは、
偽りの愛の中に本当の愛を感じたから、
なのかな……とか思ってみたり。
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