雄貴AUE

鑑定士と顔のない依頼人の雄貴AUEのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

几帳面で神経質、現実の女性を知らず、絵画の中の女性を生涯愛し続けてきた老鑑定士が、何故か姿を表さない謎の依頼人にまつわる謎を解き明かしていくお話。。。
かと思って見だしたら違った。

これは鑑定士が、奇病に悩まされる美しい依頼人との関係によって人生で初めて愛を知る物語なのか!そして屋敷で見つかる謎のオートメーションのパーツにこそミステリーが!
と思ったらまた違った!!


一応ジャンルとして“ミステリ”に含まれるこの作品だけど、ラストのどんでん返しに向けた決定的な証拠は基本的に出てきていないように思う。
言わば、シックスセンス等のように視聴者がじっくり観察していけば謎を解き明かせる類のミステリではない。

あるのは、それっぽい仄めかしや意味深な発言のみ。それらの伏線と、視聴者の経験則からラストを予測することは確かに可能。
というか このまますんなり終わるはずがない! という気持ちにはなるんだけど、それすらも否定しながらハッピーエンドを期待してしまうほど“前フリ”パートが良く出来ている。
そして、それらの二転三転する期待を全く裏切らない、秘密の部屋に入ったシーンの衝撃。。。


『どんな贋作の中にも必ず本物が潜む』
この言葉だけが救い。
そうでなければ、如何にオールドマン自身も真っ当な人間でないとは言え、あまりにかわいそうじゃないかな。。。
雄貴AUE

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