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WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常のpikaのレビュー・感想・評価

3.0
尻上がりに面白くる映画だった。子供と老人の演出がクソすぎて終始ノイズになったがそれを力技でねじ伏せるクライマックスの盛り上がりとラストの多幸感で見終わったあとの満足感は十分。恋愛や人情ドラマを差し置いて林業への情熱をメインにしたところがとても良い。
伐採シーンもラストシーンも種取りシーンも、マジで撮ってんの?と驚く迫力で、見ていてハラハラしまくり。伊藤英明が見たいと言ったらおすすめされたんだけど伊藤英明云々が吹っ飛ぶようなパワーのある映画だった。
ただ、最近たまたま吉田秋生の「詩歌川百景」を読んでいて、その中で『ザ・田舎の不都合な真実』を絶妙な空気感で表現しているのを体験しちゃってたせいか、田舎の描写に関しては作り物感が強くてハマれなかった。ファンタジーと称されている部分は、捜索のくだりではなくそこなのかなと思ったほど。
成長と受容のドラマとしては、驚くくらい捻りがなくスタンダードで、コメディに振り切ることで娯楽色を強めている。それが良いか悪いかは個人の好みの領域なのか、私は作り物感が強まって受け入れ難いなと。メインのキャラクターたちの真摯な演技に反して、その他のキャラのそのステレオタイプな描かれ方と駒のような演出がちくはぐなところも気になって、2時間で1年の時間経過を描くにはと考えると、ある程度ステレオタイプにはめて見せていくのは仕方がないのかもしれないが、それにしてもと目に余る部分は少なからずあった。
とはいえ、林業に対する真剣な扱いとクライマックスのド派手さ、主人公の成長点に感動し、ラストのその後を見たいと思うくらい最後にはハマってたので満足です。
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