ちぇるごまる

とらわれて夏のちぇるごまるのレビュー・感想・評価

とらわれて夏(2013年製作の映画)
3.9
試写会で鑑賞して以来の再鑑賞。

数日後に中学生になる少年は鬱病を患いほぼ引きこもりの母と2人暮らし。
そんな2人が月に1度の車で買い出しに行ったスーパーで出会ったのは、刑務所内の病院で盲腸の手術後に脱獄してきた囚人。
その囚人から翌日まで家で過ごさせて欲しいと頼まれ、怯えながら致し方なく応じることになった親子だったが…。

3人が暮らしたのはたった5日間。
でも、その囚人がそこにいることは彼の行動から、言葉にしなくても悪意がないことが分かる。
息子に様々なことを教える様子は、まるで本当の父親のよう。
やがて囚人の過去の過ちと母親の鬱病の原因が明らかに。

何やら訳ありの親子の幸せを願う彼の想いが優しくて、鑑賞中はこのまま時が止まってくれたらと願わずにはいられなくなった。
一夏の出来事が与えた親子と囚人の運命的な出会いは、彼らを穏やかな光へと導いていったのだろう。
ラストは思わず涙目に。
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