ユカリーヌ

嗤う分身のユカリーヌのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
3.7
【過去に観た映画】2014.11.17

原作はドストエフスキー「分身(二重人格)」。

なんだかちょっと奇妙な世界。
要領が悪く、存在感の無い、しいたげられた男の前に自分とそっくりな男が表れる。
全く自分と同じなのに、その男は要領もよく、
皆の注目の的で、モテ男。

悲惨な状況でダークなのに、どこかおかしく、
考えさせられる。

ドッペルゲンガーもので、不条理だけど、日常と非日常が交差して、不思議な世界観。

陰と陽を使い分ける主人公はとても巧みに演じ分けている。
草食の中に宿る肉食か。

ちよっとスリリングだけど、
自分の存在意義って何だろとか、他者によってしか自己を認めることができない哲学的なところに行きつく。

音楽に日本の昭和の曲が使われていて、驚いた。
ダークな感じの画面に、「上を向いて歩こう」とか
「ブルーシャトウ」が流れて、日本語歌詞が新鮮。

監督はコメディアンとあり、納得。
悲劇と喜劇って紙一重だものね。

パンフは、茶封筒入りで、タブロイド判型。
ユカリーヌ

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