ノーラン監督作品…6作品目…。
御多分に洩れず3回鑑賞…今作は《夢》の大迷宮です…ს
他人の夢に侵入し、アイデアを盗み出す産業スパイコブ(レオナルド・ディカプリオ)…仕事柄、企業に追われる上に、彼は妻モルを殺害した容疑で国際指名手配の身…。
そんなある日、実業家のサイトーと名乗る男(ケン・ワタナベ)からの仕事の依頼が舞い込みます…彼は任務と引き換えにコブが故郷に戻り子供たちと会えることを約束します…。
任務はアイデアを盗み出す《エクストラクト》ではなく、ターゲットの潜在意識にアイデアを植え付ける《インセプション》というもの…。
サイトーの競合会社を倒産に追い込む為、会長の息子ロバート(キリアン・マーフィ)の潜在意識に侵入しアイデアを植え付けるというものでした…。
コブは腕利きのメンバーを集め、危険なミッションに挑みます…。
✱.˚‧º‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧º·˚.✱
前半の1時間は4層構造の夢のシステムや侵入の際に夢と現実を見極めるトーテムという独自のアイテム…また夢の世界から現実に戻る為のキックという衝撃動作など…独特なルールのチュートリアル…。
冗長に成り易いところをメンバーがひとりひとり加わる展開やまるでトリックアートのような映像に飽きることはありません…。
3階層で起こるスキーのシーンはデジャヴ…最近観た007を彷彿…また2階層での無重力のシーンは面白かったぁ〰︎どうやって無重力の人物たちに同時にキックを与えるのか〰︎?? アーサーの無重力での優雅なアクションと機転に釘付けです…。
〜〜〜⚠︎以下ネタバレ含みます⚠︎〜〜〜
ただ、3回観て思うことは…なかなかのポンコツチーム…どこまでも失敗続き!! 致命的なのはコブはつくづくこの仕事に向いていないっს夢に侵入する度に潜在意識の中の妻モルが邪魔をする…。
しかしそれを言ったら身も蓋もないのですがს…結局は妻に対する罪悪感を抱きながらのミッション…。
“You have to forgive yourself. And you’re gonna have to confront her.”
自分を許してあげて…モルと向き合うの…。
メンバーであるアリアドネの台詞が今作のキーセンテンスのよう…。
いつもながらの物理的な時間の操作も見応えありますが…それに加えて今作は哲学的な要素も加味され、心にとても響きます…。
ノーランの凄いところは技巧的な素晴らしさは言うまでも無く…ただその根底にはしっかりと友情や愛情に満ちていること…。
コブとモルが虚無の世界で50年過ごし、終盤に魅せる年老いたふたりの映像にはじ〰︎んとくるものが…また御曹司ロバートが父親の真意を知った時のシーンでは、かざぐるまを見た瞬間に涙が溢れ出し…またそれを見守る様に爆破スイッチを押すイームス(トムハ)がとてもカッコ良いい…気持ちがあちこち揺さぶられます…。
《夢》と《現実》の世界を描いていますが…結局はサイトーの言葉”leap of faith” …トーテムに頼ることは無い…そこが夢であろうと現実であろうと…。
キックの時に流れるエディット・ピアフの♬ Non, je ne regrette rienが絶妙…。
« C’est payé, balayé, oublié. Je me fous du passé. »
過去の償いはしたわ…精算したわ…忘れたわ…
もう過去のことはどうでもいいの…
コブは最後に自分自身と向き合うことが出来たのだと思いました…ෆ*
そしてエンドロールでビックリ!!
気付かなかったぁ〰︎っს…(*゚x゚*)モクヒ