てっちゃん

パラダイス 神のてっちゃんのレビュー・感想・評価

パラダイス 神(2012年製作の映画)
3.9
3部作のうちのふたつめ。
今回のテーマは、「宗教」でしょう。
主人公の女性は、狂信的といってもいいキリスト教信者である。
足に障がいを持つ夫がおり(詳細は分からないが、暫く別居していたよう)、彼はイスラム教信者。
彼女はなんらかが原因で、キシスト教に熱心になり、その変化に夫が驚き、溝が生じいていく訳だ。
彼女がずんずんぐいぐいと自宅に押し入り「マリア様が訪問されました」の一言は痛快である。
論述合戦になって旗色が悪くなるかと思いきや一切怯むことなく慈しみの目でみて悟る。
終盤におけるアル中女性との取っ組み合いは、そこらのアクション顔負けの壮絶なもの。
そして夫はというと、もっともらしいことを並べつつも結局は性欲を満たして欲しい、それが妻の務めであるかのような行動言動をとっていく。
私みたいな宗教に疎い人間からすれば、なんでこんなにも宗教に浸かるのか理解できないが、そもそも心の拠り所として宗教は機能を果たすものだと思うので、そういう目でみれば誰しもが、登場人物のようになり得る訳なのかなと思ったり。
痛烈な作品でございました。
さて、次は最終章です。
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