てっちゃん

ビッグ・リボウスキのてっちゃんのレビュー・感想・評価

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)
3.6
「ボーはおそれている」を鑑賞して、ユダヤ人あるあるを散りばめたコメディであることを知り、そういやこれ観たかったなと思ったのが本作です。

コーエン兄弟作品だし!大爆笑との触れ込みもあるし!週末の夜映画だし!ご一緒してくれる方も賛成してくれたので!ってことで鑑賞しましたが、、、
今の私には合わなかったなというのが正直な感想です。

感じ取れたことはもちろんありますよ!
感性がずれまくっているなと年々感じている私ですが、感じ取ることはできました。
そこでお気に入りのシーンをいくつか。

・とりあえず、、ボウリングで!!
本作なにかとボウリングが出てきます。
嬉しいことがあればボウリング、悲しいことがあったらボウリング、怒れるときはボウリング、、
とにかくボウリング行かない?(何もやらないからラブホ行かない?みたいな感じかなと思ったけど違いますね)って感じで当時のボウリングブームの勢い?を感じ取ることができます。
しかもこのボウリングで出会う敵役が、アウト!な存在なんですよね。

・キャラが濃すぎだろ!
本作の登場人物全員が濃いんです。
画面の濃さが1.5倍くらいになるくらいに濃いです。
その中でもウォルターが最悪にして最強。
鑑賞した方なら、多分に強烈な印象を与えるキャラですが、彼の過去を考えると少し複雑な気持ちになってきます(本作においてそこの掘り下げは重要だと感じる。)。
おそらく本作は様々なメタファーが存分に含まれています。
それも戦争が関係しているのではないか?湾岸戦争あたりか?と検討をつけて、調べてみると私と同じように捉えた人たちがいました。
ウォルターの性格からしたら、いかにもアメリカって感じですもんね。
それでも彼は帰還兵であり、心に傷を負っていますよね。

もう一人のお気に入りは敵リボウスキの娘。
いきなり裸で登場し、ぶら下がりながらインクを足らす”前衛アート”を披露したシーンが本作のハイライト。

ほかにも強烈なジーザスも最高だったな。いろいろ今だと難しいキャラかもだけど。

・そんなのでいいのかよ!
本作は良い意味でも悪い意味でも(本国では深夜にぼけーっと観る映画として人気があるようです)、ゆるい。
なのでかっこつけても良いシーンでも転倒したり、ぐだぐだしたり、肝心な話はどうなったのよとなる始末。
とあるキャラが死んでしまうシーンでも、そんなのでいいのかよ!って感じ。
むしろ笑ってしまったくらい。
そんなのでいいんだよって感じなんでしょうね。

これ書いていると、お前楽しんでるんじゃねか!と思われかねないが、いかんせん物語の起伏がなく(あるんだけど演出がこんな感じであり、わざとやっている部分もあるだろうし)、エンタメ的な楽しみはあまりないので、退屈に感じてしまったのでしょうか。
これを何度か観ると(それこそ深夜に)、だんだんと癖になる作品かもしれないが、私にはまだそこまで感じ取れなかったわけです。

ちなみにご一緒した方は、早々に寝ておりました。
でもボウリングは行きたいと言っておりましたので、ボウリング離れをストップさせる作品であるのかもしれません。
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