てっちゃん

戦雲 いくさふむのてっちゃんのレビュー・感想・評価

戦雲 いくさふむ(2024年製作の映画)
4.1
映画館どっぷりデーの2本目です。

こういう系統のドキュメンタリー作品を上映してくれるありがたみを感じながら、劇場へ向かっていると嫌な予感が、、、

間に合うのかなこれ?

焦りながらも、安全運転でいつものパーキングへ停めようとしたら、満車!
これはやばいと思いながらも、自分なら大丈夫だと言い聞かせながら、他のパーキングへ駐車!

このとき2分前!!
冷静なふりしながら、劇場へ向かい、スマホをかざチケット発券!
どうぞこちらへと入口へ促されるも、すみません御手洗へ行きますと赤面しながら言い、用を済ませ着席!
ぎりぎりでございます!!

満員御礼では?って思うくらいに埋まっておりますね。
想像してはいたけど、年齢層だいぶ高めの客層です。
日本に住む誰にとっても近い将来関わってくる”問題”なのだと思いますが、このような作品って限られた一部にしか認知されないのですよね。

その発信の場所がミニシアターでもあるのですが、”インパクト”がないと話題にならないのでしょうか。

ちなみにパンフおすすめです。
ドキュメンタリー作品ならではの作りで、読み応えあり、補助知識あり、振り返りも十分にできます。

本作は三上智恵監督さんが製作されています。
私は三上さんの作品を初めて鑑賞しました。
三上さん自身沖縄で長く密着取材をされている、反戦争という立場が明確な方です。

なので、これまでの作品も本作でもテーマは一貫しているように感じました。
特に本作では、沖縄の歴史・風土を愛し、軍国化を進めよう”としている”政府に対して大きく”ノー!!”と言っている方です。
(そもそも反戦争、昔からの”日本を守る”ことって、ものすごく愛国だと思うのですが)
当然のように本作は、これらの目線から描かれています。

本作では沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島に焦点を当てて、軍事拠点としていく様をその島の歴史と重ねて物語っていきます。

さらにそこに住む住民の方達にもスポットを当てて、今何が起こっているのか?なぜこのようなことになったのか?どこに向かおうとするのか?を伝えていきます。

同じ日本なのに、軍事的な話になると切離されて考えられているように感じてしまうこれらの諸島。
台湾有事を想定しているという自衛隊と米国軍の共同作戦。
当初約束していたことと、やっていることが違うこと。
沖縄の民意が無視されていること。

好き勝手やっている国に対し、勇気を出して反対の声をあげるも、のらりくらりと逃げて逃げて相手が疲弊するのを待つ、いつものパターン。

それでも反対の声をあげている顔を見ると、元気をもらえます。
地域住民と自衛隊の人たちが交わる瞬間があります。
そこには、きちんとした”会話”が存在しています。
なぜ国は何も説明しないで、押し進めていくのか。
それは己に自信がないから。
信頼されていないことを恐れているからではないでしょうか。

昨年に沖縄に行きました。
ひめゆり平和祈念資料館に行きました。
後世に残していくべきものをたくさん学び、知ることができました。
戦争の愚かさ、怖さ、悲惨さを知り、犠牲になるのは市民ということを知りました。
先の戦争で”日本”は平和の大切さを学んだはずです。

その”間違い”を繰り返そうとしています。
自分たちには関係ない?
国が私達の命を守ってくれると本気で思いますか?

本作で印象的だったのは、
「対立じゃなく対話」
という言葉です。

自衛隊も住民も向かうべきは平和ですよね。
今こそ「対話」をするべきです。
てっちゃん

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