回想シーンでご飯3杯いける

胸騒ぎの恋人の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
3.5
女1人、男2人の三角関係を描いた作品。それだけなら、割とありがちなのに、男のうちの1人がゲイという設定を加えるだけで、これだけ面白い作品になってしまうとは。さすがグザヴィエ・ドランという感じ。

ドラン監督作のうち、これはデビューから数えて2作目に当る。デビュー作「マイ・マザー」同様、コメディ寄りの作風で、かなり間口の広い作品だと思う。ポップな映像、ニューウェイヴとクラシックを中心に構成された印象深い音楽、キャッチーに色づけされたベッドシーン等、嫉妬を覚えるレベルでお洒落な雰囲気。しかも、そんなにお金が掛かっていない感じが、また良いと思うのだ。先に挙げた三角関係の設定の妙といい、アイデアがあれば大金が無くても良い映画が出来るという好例だと思う。

そして、本作は俳優としてのドランの魅力が最も表れた作品かもしれない。小動物のように愛くるしいドランが、愛する男の為にプレゼントを選ぶ健気な姿とか、エッチな妄想にふけるドランとか、BL的な楽しみ方も含めて、女性にとってかなり眼福な作品なんだろうなぁ。

他のドラン作品に比べて会話劇としての面白みはやや弱いけれど、逆に言うと、取っ付きの良い、とにかくポップな作品。


■これまでに観たドラン作品とスコア

マイ・マザー 3.8
わたしはロランス 3.9
Mommy/マミー 4.2
たかが世界の終わり 3.8