キウェテル・イジョフォー主演、まだ奴隷制度が残っていたアメリカの一人の黒人奴隷を巡る実話に基づいたドラマ。
すでに自由黒人の身分でありバイオリニストとして生計を立てていた主人公ソロモンは、演奏を依頼された仕事先で拉致され、奴隷として売られてしまう。
開放される希望が全く見えない中、自分を殺し屈辱に耐えながら奴隷生活を送ったソロモン氏の12年間の記録。
黒人奴隷をテーマにした映画はどれも非常に強烈です。
奴隷制度は人種差別等という生易しいものではなく、そもそも黒人を”人間”と見なさない白人たちの社会によって作られた非常に恥ずべきかつおぞましい制度だったことが良くわかります。
この映画も例に漏れず思わず目を背けたくなるようなシーンがたくさんあり、この当時の黒人の人達が受けた苦痛が一体どれほどのものだったのか我々には想像だにできません。
主人公のソロモン氏はきちんとした身分を証明できたために運良く脱却することができましたが、あの農場にいた他の人達はどうなったんだろうと考えると筆舌に尽くしがたい感情に襲われます。
とても重いテーマを内包した映画ではありますが、観る価値はあると思います。
