実話に基づく物語。
1940年代、ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)は、娘たちとの約束を果たすため、P.L.トラヴァースの児童小説『メリー・ポピンズ』の映画化を目指します。
しかし、原作者は頑なに拒み続けます。
なぜ、トラヴァースは、『メリー・ポピンズ』の映画化を20年間も断り続けたのか。
2人の間で繰り広げられる映画化交渉の中、原作者P.L.トラヴァース(エマ・トンプソン)の回想により、その謎が解き起こされていきます。
映画『メリー・ポピンズ』は、1964年にやっと公開となりました。
トラヴァースの父親は、銀行家。
ストレスにより、酒に溺れていきます。
母も精神を病むことに。
父親のアルコール依存症で崩壊しつつあった家庭を建て直し、子ども頃のトラヴァースに希望を与えてくれたの、エリー叔母さんでした。
エリー叔母さんが、一家の窮状みかねて世話しにきてくれたのです。
その後、まもなく父親は亡くなってしまいますが、エリー叔母さんの印象は強烈だったのでしょう。
原題のSaving Mr. Banksの意味が腑に落ちます。
メリーポピンズは、父親に対する魂しずめのお話。
あまりにも個人的で思い入れがあったから、トラヴァースは、他人に渡したくなかったんですね。
今作は、心理検査TATの結果を解釈するようなスリリングかつ心和む展開になります。
〔物語を作ると、無からはストーリーは展開できないので、人間は自分のことを語る〕
リチャード・シャーマンとロバート・シャーマンの兄弟による劇伴音楽を作る過程も楽しく描かれてました。