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大統領の執事の涙のcookieのネタバレレビュー・内容・結末

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

7人のアメリカ大統領(アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン)に仕えた執事セシルの半生を描いた作品。

リトルロック高校事件やエメット・ティル事件、シット・イン、血の日曜日事件、KKKなど、黒人差別の歴史が取りあげられている。
本作はセシルの目線で大統領の政策と重ね合わせて時系列で見ることができ、分かりやすい。

ケネディが暗殺された日、血で染まった服を脱ぐのを拒んだ夫人のエピソードは、ホワイトハウスならでは。

奴隷だった少年時代の教訓から、磨いたスキルで常に白人の顔色をうかがいながら奉仕することを平穏に生きる術とするセシル。そんな父を軽蔑し公民権運動にのめり込んでゆく長男ルイス。
この二人の対比が、物語を深いものにしている。

過激な活動家マルコムXから離れたルイスは、執事についてのキング牧師の言葉に心動かされる。
「彼らは真面目に働くことで黒人像を変えていった。彼らは人種の壁を崩していった。彼らは戦士なのだ。」

オバマ大統領当選までを描くことで、これが近年まで起こっていたということ、黒人大統領誕生が歴史的にどれだけ凄いことなのかを、改めて感じさせる。
だからといって、まだ変わってはいない現実に心が痛む。

実在の人物のルックスに寄せているのも印象的。
マライヤ・キャリーも出演。

「公民権のために闘った全ての人々に捧ぐ」映画(エンドロールより)
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