Maoryu002

ボーイのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ボーイ(2010年製作の映画)
3.5
1984年、ニュージーランドの田舎町で祖母、弟、従姉妹たちと暮らす少年ボーイ(ジェームズ・ロールストン)のもとに、前科持ちの父親アラメイン(タイカ・ワイティティ)が帰ってくる。ギャングのリーダーを自称する父親に憧れるボーイの生活は様変わりするが…

ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督による少年成長記。
自伝的要素が強いんだろうなーと思いながら鑑賞した。

子供のまま年を取ってしまったかのような父親アラメイン。
彼をヒーローに仕立てて追いかけるボーイ。

少年が少しずつ現実を理解して、大人に近づいていく様子が生々しく逞しい。そして、寡黙に2人を見つめて、実はしっかりと自分の考えを持っているロッキーが物語を亡き母親の元へと導いていく。
一方で、反省したような、まだ分かってないようなオヤジの姿にはモヤモヤさせられた。

そして、とても印象に残った廃車やゴミだらけの風景が、格差と貧困の中にあることを想像させる。
町全体に閉塞感があって、まっとうな仕事では稼げないことが見て取れる。
そんな中で成長ししてしまった、あるいは成長している人々は、どうしても道を踏み外しがちなんだろうけど、そんな中にある子供たちの純粋さが作品の魅力だろう。

雰囲気はワイティティらしさに溢れていたけど、ちょっとだけ押し付けられてる感があったなー。
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