JessYamamoto

スター・ウォーズ/フォースの覚醒のJessYamamotoのレビュー・感想・評価

4.1
公開当時、2D字幕で見てきました。

あまり期待してなかった分、思ったより全然良かった、という印象です。
ストーリーや映像としては革新的な要素はなかったんですが、キャラクターの良さや展開の運び、会話のテンポ感は流石でしたね。

予告編がね、全然魅力的じゃなかったんですよ。
旧キャラのハン・ソロは別として、新キャラに全然魅力を感じなかった。
ポー・ダメロンとか、名前からしてダメダメでしょ?(笑)
黒人青年も全然パッとしないし、大丈夫か?って思うじゃないですか。
案の定ダメダメなんですよ(笑)ボンクラばっかです。
そんなマイナススタートだったんだけど、
会話の掛け合いのテンポ感が凄く良くて、キャラの性格や人物像の把握がしやすかったので逆に励ましたくなる気持ちで観れたんです。「頑張れボンクラ!ドンマイ、ドンマイ」みたいな(笑)
で、物語が進んでキャラが成長していくのが嬉しくて、気がついたらみんな魅力的になってるっていう。

悪役のカイロ・レンも序盤は圧倒的な力を見せるも、メンタルがヨワヨワで、ダース・ベイダーのような悪のカリスマ感はないんです。
カリスマとして描いたところで、旧作ファンから見たダース・ベイダーのイメージには敵うはずもないでしょうから、敢えて早い段階で逆をついたのは良かったと思います。
新キャラ全般として「旧作で言えば誰々のポジション」とか、「旧作の誰々と比べると〜」という議論が起きにくいような作りになってますね。

映像的にも好感が持てました。
90年代以降のCG自慢の感じが一切なく、敢えてローファイでアナログな感じで、それこそエピソード4〜6の時代の匂いを感じました。
エピソード1〜3にあった変なデジタル臭は一切なかった。

旧作で使ってたセリフ回しやセルフパロディー、旧キャストの出演など、旧作ファンへのサービス的な要素はてんこ盛りになっているものの、単なるノスタルジー映画に終始せず、新キャラにしっかりバトンタッチして物語を前に進めていますね。
新キャラの出し方も、旧作キャラと比較して見劣りしないように、敢えて比べられないくらいダサめに登場させて会話の掛け合いや心情描写で人間味を出して観客を味方につけてる。
旧作ファンをがっかりさせないこと、かと言って旧作の焼き直しにならず新キャラを受け入れさせて物語を未来に進めること、この2つを絶妙なバランスで両立させていると思います。
その分、無難というか気を使ってる感があって革新性はなかったんですが、新サーガの第一幕としてのミッションは果たせてるんじゃないでしょうか。
JessYamamoto

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