ふと、どん底に暗い映画を観たくなり真夜中に鑑賞。翌朝の日の光の明るさで目が覚めてちょっとほっとしました…そんな鬱い映画でした。
地方の田舎町の底辺で暮らす人のなすすべない負のスパイラル。
造園会社社長、中島(高橋和也)の下衆さがリアル。
人生投げ捨てた厭世観オーラの達夫(綾野剛)の表情が物語が進むとちょっとだけ柔らかくなっていくさりげない変化、拓児(菅田将暉)のアホで調子の良いチンピラがまたうまくて。フライパンからチャーハン、カレーをがっつくところ、蹴飛ばしたゴミ箱をもとに戻すところなどちょっとしたシーンが印象に残りました。
火野正平さんのさりげない存在感も。
重い空気、閉塞感、貧困、介護の暗部など、終始どんよりした展開。
ラストの朝焼けの海で、顔アザが痛々しい千夏(池脇千鶴)と達夫が微笑むところで少しほっとしました。