乙郎さん

LEGO(R) ムービーの乙郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2014/4/14@ミハマ7プレックス
 CGを用いているらしいが、レゴブロックの細かい動きによりすべてを表現しようとした執念にはやはり敬服せざるを得ない。また、『スターウォーズ』や『2001年宇宙の旅』、『ブレードランナー』といった作品をちゃんと古典として下敷きにし、新たなカノンを作り出そうとしているところなど、好感をもった。序盤は、新たな表現方法により王道ど真ん中のストーリーが描かれることに何よりの快感を覚える。しかしながら、徐々にこの映画、王道から外れていく。ワイルドガールの彼氏持ち発言あたりからだが、なかなか主人公エメットの「覚醒」がやってこないところなどまさにそれだろう。
 しかしながら、この映画が面白いのは、王道を外れたかと思ったら、そこから創造論、はては広く世界の仕組みについての論になるところだ。
 ルーティンをこなす存在と、クリエイティブな存在、どちらがかけても世界は成立しない。そういった二つの価値観の衝突と調和を描いており、ここなど大変興味深かった。
 さて、レゴブロックはまさに創造の象徴だ。それは子供にとっての玩具としての性格とは別の性格を持つ。
 終盤はこのアイテムを用いて、観客ともども童心に帰らせる。実を言うと論としては接続がうまくいっているようには思えなかったのだが、それでも問答無用に涙を流した。
乙郎さん

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