「銀河鉄道の夜」未読。
その作品の産まれた執筆の要因とかも知らず、それを知りながらこの作品を楽しめたのは良かった。
戦時のアニメなら「火垂るの墓」を思い浮かべがちで辛く、暗く、重いものを浮かべがち。
実際、キャラのデザインもぶっちゃけ昔話のような無個性で古臭いデザインにも思えたので、肩肘張っちゃうのも事実。
が、人物の所作や表情などわざと崩すようなコミカルな描き方もしていて、ホッコリと楽しめる描写も多かった。
「銀河鉄道の夜」とはジャンル的にはSF作品ともとることができると思うのだが、時代に先行する想像や理想、願いって実にいいことだなとカラフルで極彩色を宇宙に散りばめたような映像の演出を見ながら考えた。
戦時で旧日本の現状では宇宙を飛んで走る鉄道など、想像に難く、だからこそ想像力をフル回転させて思いを馳せる自由度を届ける文学の偉大さも感じることができた。
生存能力の高い飄々な愛着の湧くおじさんのキャラや、戦後に露助(ソ連・ロシア)に占領されて、自分の家の母屋までもとられたロシア娘との触れ合いや恋心など、見ていて面白い所はいくつもあった。
最後の今更ながらの終戦後に繋がった輪という締め方もなかなか良いものがあった。
