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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のHIROのレビュー・感想・評価

4.0
100万ドルが当選したという誰が見ても古典的でインチキな手紙をすっかり信じてしまったウディ(ブルース・ダーン)は、ネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行くと言い、息子のデヴィッド(ウィル・フォーテ)と共にネブラスカを目指すお話。

第86回アカデミー賞作品賞ノミネート作品。

地味だけどジワジワ来る作品でした(>_<)

父子のロードムービーと聞いただけで僕の期待値はMAX!
温かい気持ちになれましたね。

完全なるインチキに騙されるウディに付き合う息子のデヴィッド。
旅の訪れる場所で両親の過去を知ることになるんだけど、それは衝撃な事柄ばかり。
父親の元カノとか普通だったら絶対聞きたくないですよね(´Д` )
母親のケイトに関しては下ネタ連発のエロババア。
あいつとあいつとあいつは自分のパンツの中を狙っていたとか、ゲンナリするからいちいち言わないでほしいですよ(´Д` )
しかも口が悪いという(´Д` )

ウディは頼まれたら断れない性格でトラブル続きの過去がある。
どうしようもないように感じるんだけど人柄の良さが滲み出ているような(>_<)
息子に口止めされていたのに100万ドルが当選したことを友達や親戚に言いふらしているところは滑稽でした(≧∇≦)
ただ、それを聞いたみんながウディにたかり出したところは人間の醜さを見たような気がしましたね(´Д` )
そんなどうしようもない奴らにケイトが反撃に出るところはスカッとしました\(^o^)/

父親の夢を叶えようと息子のデヴィッドが付き添うところはとても良かった!
デヴィッドは本当にいい人なんだろうなぁと思いました。
ウディとケイトとデヴィッドがレストランで注文する時のこと。
ケイトがウエイターにオススメを聞いたんだけど、ケイトとウディは顔をしかめて別のものを注文。
その時デヴィッドはウエイターに教えてもらったメニューを頼むんですよね。
なんというかこういうさりげない優しさがサラッとできるような男になりたいと心から思いましたね♪( ´▽`)

ウディは正気なのかボケているのかよく分からないところが多々あるんだけど、僕はウディはあの手紙が本当はインチキだってことを薄々感じていたんじゃないのかと思ったんですよね。
年老いて何もできなくなった自分への苛立ちから、何がなんでもネブラスカに行くという目標を達成したかったのではないかと。
だからこそ100万ドルを手に入れたらトラックを買いたいと言っていたのではないかと思いましたね。

デイビッドがウディが100万ドルを取りに行く本当の理由を聞くシーンは感動しました(T ^ T)
なんだかんだ言っても父親が息子を思う気持ちは本物で、それが集約された場面だったと思います。

ラストシーンは本当に爽快でした!
息子の取ったある行動は泣けます(T ^ T)
ウディのプライドと威厳を保ってあげただけでなく、父子の絆がさらに深まった場面でもあり、最高だったと思います(T ^ T)

この作品の監督であるアレクサンダー・ペインは過去に「ファミリー・ツリー」や「サイドウェイ」という映画を撮っていて僕も大好きなんですけど、これらの作品を観て思ったのは、この監督は少ないセリフの中で人の心情の変化を見せることが抜群にうまいということ。
派手な演出を施さないことで血の通った人間を表現しているんですよね。
ひょっとしたらアレクサンダー・ペイン監督は天才なのではないかと思ったりもしましたね♪( ´▽`)

白黒ということで無機質な印象を与えかねないのではと思いましたが、温もりがたくさん伝わってきました(≧∇≦)

ウディは僕の祖父とだいたい同じくらいの年齢だと思うので、いろいろと考えさせられるところがありました。
これからは祖父のすることを尊重し支えていけたらいいなぁとしみじみ思いました(≧∇≦)

白黒だし、大きな事件は何も起こらないので、退屈に感じるかもしれないけど、ラストシーンは本当に爽快な気分になれます!
親をもっと大切にしたいと思える作品でした!
親と疎遠になってる人などは特にオススメだと思います(≧∇≦)
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