千年女優

寄生獣 完結編の千年女優のレビュー・感想・評価

寄生獣 完結編(2015年製作の映画)
3.0
パラサイトとの戦いで母親や同級生を失い、右腕に寄生したミギーの養分から得た超人的能力で復讐を遂げた男子高校生の泉新一。圧倒的な知能を持つパラサイト田宮良子の企みで東福山市役所がその巣窟となる中、田宮の依頼で自身を観察する探偵の存在をきっかけに最強のパラサイトである後藤との戦いに巻き込まれる様を描くSF映画です。

岩明均による傑作SF漫画の映像化権争奪を制した東宝期待の実写化映画で、監督を託された山崎貴が全10巻に及ぶ長編漫画の要所を搔い摘んでコンパクトにまとめていて、前作で描いたパラサイト発生から過酷な戦いの中での新一の超人化とミギーとの関係の変化を経ての激化する人間vsパラサイトの決戦をキャストを引き継いで盛り立てます。

エコロジーブームを背景にした設定や人間心理を捉えた心震わす展開など原作の魅力は多いですが、その全てがフリとオチでロジカルに構成されている事で傑作たらしめています。大きくオミットしたわけでなくともフリが削られた事での弱体化が物語が進むにつれて目立ちますが、それでもオチは余す事なく拾い上げている及第点の一作です。
千年女優

千年女優