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寄生獣 完結編のpikaのレビュー・感想・評価

寄生獣 完結編(2015年製作の映画)
2.5
山崎貴に感傷的なシーンを与えるとどうしてもこうなるのか。永遠に繰り返すことが可能なリフレイン調の音楽と誰かが話し始めると周りの人が不自然に停止してしまう演出の異空間ぷりは虚構を超えてこちらの時空も歪んでいるかのよう。音楽自体は全く悪くないし音楽が鳴らないシーンは良いので食い合わせが悪いんだと思う。アクションはカッコよく見応えもある。原作がめちゃくちゃ面白いので話自体そのものも文句なし。ドライなシーンは潔いほど乾いていて良い。
奇怪ホラーに振り切った前作に比べ、原作の哲学的な主題に対して感動的なドラマでアンサーしちゃってる。おそらく山崎貴なりに原作の徹底的にドライな手触りを尊重して再現したのであろう、ただ観客の感情を揺さぶるためにはそれ相応の演出をしないとという不安もあり、商業映画としは真っ当なその姿勢が自ら作り上げた良さを自分で壊してしまったのか。
俳優もカメラも前作同様素晴らしく、音楽さえなければどうだったのだろうかと思うところが多々。張り詰めた緊張感がその都度途切れてしまって映画に集中どころか眠気とのバトルに意識が向いてしまう。
突然の男女シークエンスのジャンプカットは良さも意味もわからず。原作では意義の十分なそのくだりは、映画では丸々カットしても差し支えないほどに面白味的にも活きていない。
3回もエンディングがありこの映画は終わらないのではないかと思うくらいに笑ってしまって、ドラマの必要性云々以前に内容が全く入ってこなかった笑。シークエンス毎にエンディングの如きテンションへといちいち盛り上げなければ違和感はなかったのだろうか。
これからどうなるんだろう!?とワクワクさせられた前作に対してキャラのオチやラスボスの存在感、主人公の変化など素っ気ないほど結果しか見せず、それらが話に影響はしても映画的な興奮には全く繋がらなかった。前作が良かっただけにガッカリも大きかった。残念。