このレビューはネタバレを含みます
つまらない部類のB級映画という評価が妥当だと思う。
無理難題の短期間参勤交代を命令され、どうやって成し遂げるかという話で、モチーフはそれなりに興味が持てるが、内容は支配者の鼻を明かして懲らしめてやって溜飲を下げる感じのチープな展開。
コメディなのでそういう軽い話でも良いとは思うが、ストーリー全体が酷すぎる。
まず超高速と言いながら話のテンポが悪い。あれもこれもとエピソードをくっつけているためだ。
遊女との恋とか、段蔵の義理人情とか、敵の忍者軍団とのバトルとか、次々とどこかで見たことがある陳腐なエピソードが出てくるが、全部中途半端で描ききれていない。
そのため、エピソードに絡んだ人物描写も中途半端になっており、殿様をはじめとする主要人物の行動に説得力がないし、掘り下げが足りずキャラクターを魅力的に描くことが出来ていない。
コメディの質という意味でも及第点未満と行ったところ。
ストーリーが喜劇的かというとそうでもなく、役者がコミカルな演技をしているだけで、それもどこか上滑りしており見ていて痛々しい。
シリアスなシーンでも同じような演技なので、ただおちゃらけているような感じになってしまっているのも良くない。
この映画が複数の賞を受賞している事に驚いてしまう。
近年の邦画のレベルの低さを象徴するような映画で、その意味では見る価値があるかも知れない。