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真昼の不思議な物体のTOTのレビュー・感想・評価

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)
3.9
身の上話に詰まった女性に言う「何か話をして、嘘でもいいから」から始まり、ひとつのプロットを人から人へ語り繋ぐ創作リレー。
創作の合間にドキュメンタリーを挟み、虚構と現実が次第に飽和してきたところで、子供達の鮮やかな発想と嬌声でドカンと決壊するラスト。
キアロスタミの影響を感じつつ、筋もなく即興演技でもなく、物語の行く末を対象の語りに委ねてしまう豪気。
写美で観た2001年の短編、ひとつの物語・配役を様々な人が演じ継ぐ「幽霊の出る家」と対になる作品とも思った。
右でも左でもないことの自由は不安だけど、フワフワと面白い。でも怖い。
あと、劇中に若アピチャッポンが写りこむ。
かわいかったアピチャッポン。
今より少し髪の毛長いアピチャッポンかわいかった。
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