Donatello

フォックスキャッチャーのDonatelloのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
3.2
実際のこの事件が起こった時、丁度オレゴンの空港で足止め食らってたのですが、当時まだ喫煙できた空港内のバーにずっと居たので、否が応にも店内TVのニュースでも観てるしかなく
「なぜデュポン氏はこのような犯行に至ったのでしょうか?現場へ繋いでみましょう」→「現場です(中略)事件の解明が待たれます」→「スタジオです。(中略)しかしなぜこのような…」
…といった感じの無限ループで、結局のところ何もわかっとらんのかい!と心の中で激しくツッコんだ覚えだけあります。

こういった結末がわかっているリアルイベントを映画化するとなると、
1.物語の殆どを明らかにされている事実のみで構成したドキュメンタリータッチのもの
2.噂の部分を含めて色をつけた一部フィクションもの
3.事件の引用を示唆しながらも、登場人物、場所、時間などを別に置き換えているフィクションもの
…と大体3パターンかと思うのですが、この映画の場合、思うに1を装った2であり、しかもジョン・デュポンがマザコンでゲイという決め打ち。

ベネット・ミラー監督の前作『マネーボール』の「淡々としながらも何処と無く爽やかな雰囲気」と打って変わっての全編陰湿な重苦しい様相に加え、絶望的にこの事件に対する関心がない。

例えば『JFK』だったり『アポロ13』だったり、現時点では公開されていない『ハドソン河の奇跡(仮名)』のような「その時何が起こったのか」を元々からして詳細に知りたいような題材であればもう少し入り込めたのでしょうけどね。
当時ですら「口論か何かで銃持ち出したんだろ?いかにもUSA的じゃないか」といった印象程度しかない事件なので、真相がどうであっても興味もなくてですね。

そこを興味持たせるように描くのが映画の真骨頂だとは思うのですが、その描き方の振り方が気に入らない。
まぁ正直、僕この映画あまり好きではないです。

ただ演技は流石に素晴らしくてですね、テイタム君もラファロさんも素晴らしいのですが、なによりスティーヴ・カレルさんの「実は兄がいて、彼もまた俳優です」言われても信じそうなぐらいのアンタ誰感は凄い。

2度目を観るにしても相当時間を空けたい作品ですが、カットの声と共にカレルさんがベロベロバーとやってそうなNG集があるならそれは是非とも観てみたい。