レミフィ

フォックスキャッチャーのレミフィのレビュー・感想・評価

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)
4.0
淡々と描かれるのだけど、なんとも表現できない不穏さや重苦しい緊張感があった。それを煽る間や音の使い方が抜群。この不穏な空気の中で描かれるのは、兄弟と師弟の絆、名声と孤独、そして何よりも愛されたい、レスリングでアメリカに金メダルをもたらすことで、「何もない」自分を認めてもらいたいという欲求だった。コーチと選手、同じ欲をもった男たちの絆は狂気でもあって。そこに巻き込まれていく選手の兄を含めた3人の人間関係は虚栄心や嫉妬や尊敬や様々な感情が入り混じった歪んだもので愛憎といってもいいほど。なんだか時に痛々しかった。笑っていても目は笑っていないジョンの不気味さには、これがスティーブ・カレル?と釘付けになったし、彼だけでなくマークの繊細さや脆さ、デイヴの力強さや優しさ…3人の俳優に魅了された135分だったように思う。
レミフィ

レミフィ