レミフィ

博士と彼女のセオリーのレミフィのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
4.5
エディ!!
ファンの贔屓目なしにエディのとてもチャーミングで、瑞々しく繊細な演技に魅了された。ALSを発症し、手から始まって徐々に身体が思うように動かせなく過程やその内面の表現はもちろんだけど、喋ることも出来なくなってからの、ちょっとした目線や眉の動きでみせる感情表現は言葉以上に雄弁でオスカーも納得の素晴らしさだった。そして同様に素晴らしかったのがフェリシティ。妻のジェーンにも寄り添い焦点をあてた作品というのもあって、私はかなりジェーンに感情移入してしまったのだけど、彼女の芯の強さや愛情深さ、どれだけ愛していても次第に募る疲労や感情の揺らぎ、そんな感情への葛藤がとてもダイレクトに伝わってくる表情がとても印象的で、何度も胸をうたれた。
とても良いラブストーリーを観たという満足感もあるのだけど、甘いだけではなくて色々考えさせられるのが良かった。一目惚れから始まる序盤はとてもロマンティックだけど、愛ってそれだけじゃない。愛さえあれば大丈夫♡なんてことも全然なくて、弱さやほろ苦さも全部ひっくるめて「愛とは…!」っていうのをみせてくれるのが好き。
音楽も、時間や回転や円を上手く使った演出も、独特の色彩も、ジェーンのファッションもどれも良かったけれど、特に2人で時間について話しながらくるくる回るシーンまで巻き戻してみせる演出は最高に素敵だと思う!まるで始まりと終わりを繋いでいるかのようでなんだか泣けてきてしまった。
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