レミフィ

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のレミフィのレビュー・感想・評価

4.5
「Stay weird,Stay different.」
この作品の脚本家グレアム・ムーアのアカデミー賞でのスピーチにあるこのフレーズを何度も思い出した。
3つの時代を行ったりきたりするなかで徐々に明かされるアラン・チューリングの数学者としての半生と天才ゆえの孤独と苦悩、そして隠されてきた歴史。決して派手ではないし、とても静かな作品だけれど、作り手の熱を感じるとても見応えのある作品だった。ヒリヒリするけどユーモアもあって余韻も素晴らしい…!
秘密と嘘を抱え、時代に翻弄された主人公の孤独や葛藤を描く人間ドラマの面だけでなく、ドイツ軍の暗号「エニグマ」に挑むミステリー面でも楽しめた。あることをきっかけに一気に暗号の解読にむかうシーンにはゾクゾクしたけれど、解読して終わりではなく、解読後に彼らに突きつけられる「戦争を終結させるために命の選別をしなければならない」という苦悩までをもしっかり描いているのも良かったと思う。そしてこの暗号解読のために作り上げたマシンにつけた「クリストファー」という名前の秘密がわかったときには切なくて切なくてたまらなかった…。
天才でエキセントリックで異質だけどとても繊細なチューリングの役柄を演じきったベネネは本当に良い役者さんだなあと。
作品の終盤にでてくる「あなたが普通じゃないから、この世はこんなに素晴らしい」っていうセリフがとても心に残ってる。
レミフィ

レミフィ