千年女優

観相師 かんそうしの千年女優のレビュー・感想・評価

観相師 かんそうし(2013年製作の映画)
3.5
李氏朝鮮時代。義弟や息子と郊外の農村で貧しい暮らしを送る観相師で、形相から過去から未来までを読み取る能力が宮中まで届いて五代国王の文宗が治める宮廷入りしたネギョン。のうのうと暮らすはずが王弟・世祖の顔から逆賊の相を読み取った彼が、王急死に伴って若干11歳で即位した瑞宗を守ろうと奮闘する様を描いた歴史ドラマです。

監督デビュー作『恋愛の目的』で青龍映画賞の最優秀脚本賞を獲得したソウル芸術大学出身の映画監督ハン・ジェリムが、李氏朝鮮時代の前期に起こった骨肉の争いをベースに制作した2013年公開の作品で、スター俳優の道をひた走るソン・ガンホの主演も手伝って『7番房の奇跡』『スノーピアサー』に次ぐ当年三位の観客動員を記録しました。

サービス精神旺盛なハン監督作らしく、前半はコメディテイストで中盤はサスペンス、後半はアクションと歴史エンターテインメントとしてやれることを詰め込みます。それ故にトータルでの一体感のなさはあって史劇ものとしては些かイージーな構成ですが、どのジャンルもこなすソンの存在が作品のグレードをワンアップしている一作です。
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