スズタカ

STAND BY ME ドラえもんのスズタカのレビュー・感想・評価

STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)
3.8
"いっしょに、ドラ泣きしません?" 何だよ、この宣伝コピーのあざとさ。

感動の押しつけかよ。どんだけのストーリー作ったんだか観てやろうじゃないの、と意気込んで観に行きました。

そうしたら、ストーリーは、ドラえもん原作から[未来の国からはるばると]・[雪山のロマンス]・[のび太の結婚前夜]・[さよならドラえもん]を、1本のストーリーとして組み立てていました…。ズッコケました…。

それぞれ、ほぼ原作そのままで、オリジナルシーンは、10分位かな。ズルイよ、それじゃ、ストーリーは面白いに決まってるし、感動するに決まってるじゃない。

上記の4話は、それぞれどんな話かというと、最初のドラえもんがやって来る話。
未来のしずかちゃんが雪山で遭難したところに、タイム風呂敷で大人の姿になったのび太が助けに行く話。
それに、超有名な、のび太としずかちゃんの結婚式前夜の、しずかちゃんと彼女のお父さんの話。
最後が、未来に帰ることになったドラえもん、だけどのび太の事が心配。そんなドラえもんを安心させるために、のび太がジャイアンとのケンカで根性を見せる話。

ざっとだけど、こんな話です。この映画では、しずかちゃんとのび太との恋愛、それと、ドラえもんとの出会いと別れを描こうというわけです…。
分かる、分かるよ。しずかちゃん絡みの2話は傑作だし、泣けるの間違いなしだから、入れたいのは理解できる。

だけどね、ドラえもんという作品にとって、大切な事ってなんだろう。

それは、しずかちゃんとの恋愛話である訳もなく、夢のような秘密道具でもないんじゃないかな。

俺はね、どうしようもないのび太に、ドラえもんという欠けがいのない、いつもそばにいてくれる親友が出来たってことこそが、大切なんじゃないかなと思うんです。

本作でも、それを描こうと努力はしているんだけど、しずかちゃんの話に時間を使い過ぎているし、致命的なのが、ドラえもんがのび太と一緒にいる期間が短過ぎる!
1ヶ月位しか滞在していないように見えるんですよね。

それだと、名作"さようならドラえもん"と同じ事を展開しても、まるで感動が足りないんですよ。

あの話は、2人がこれまで一緒に過ごしてきた、たくさんの冒険や、楽しかった事、辛かった事、数え切れない程の思い出があるから、感動するんだけど、それが描けていなく、関係性が浅いままで展開だけ同じ事をしてもダメですね。。。勿体無い。

それに成功してるのは、"ted"ですよね。あの映画は、ドラえもんの本質と同じ事が、ちゃんと描けていたと思います。

マーケティング的な部分で、色々と重要視しなくてはいけないことがあるのも理解できるけど、もうちょっと頑張って欲しかったです。

ただ、泣けるの宣伝文句には、偽り無しでした!

あと、エンディングでのモンスターズインクのパロディは最悪!絶対やらない方が良かった!
スズタカ

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