ユースケ

GODZILLA ゴジラのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

日本家屋と冷却塔が奇妙なコラボレーションを見せるトンデモ日本描写満載の雀路羅(ジャンジラ)市…被爆を怖れず核兵器を雑に扱うアメリカ兵…

しかし、そんなツッコミどころをぶっ飛ばす魂を揺さぶる咆哮。背ビレを青白く光らせ、エネルギーをチャージし、吐き出される放射熱線。溜めと間を自在に操り、大見得を切る歌舞伎怪獣ゴジラにシビれっぱなしです。もう、背ビレだけで白飯三杯はいけます。

ゴジラをただの巨大生物として捉えていたエメゴジとは違い、ゴジラ=自然=神と捉える日本人の怪獣観を理解したプロデューサーのトーマス・タル(レジェンダリー・ピクチャーズCEO)や監督のギャレス・エドワーズなど、制作サイドのゴジラ愛をビンビンに感じる一本。

怪獣同士のどつきあいは全シーン必見なのですが、【2001年 宇宙の旅】でモノリスのテーマとして使われていたLigetiの【Requiem】をバックに、SEALsが赤い雲を引きながらHALOで黒雲に包まれた龍の棲み処に降下していくシーンが本作の一番のみどころ。絵画のような画面構成が醸し出す神々しさと絶望感がたまりません。

最後に、芹沢猪四朗博士(渡辺謙)の地位向上委員会から一言。
劇中、眉間にシワを寄せ、困り顔をするだけの役立たずだった芹沢猪四朗博士ですが、その名前は、初代【ゴジラ】の監督を務めた本多猪四朗と同作においてゴジラを葬った芹沢大助博士(平田昭彦)へのオマージュから名付けられた由緒正しきものなのです。
「人間が傲慢なのは、自然は人間の支配下にあり、その逆ではないと考えている点だ」とキリスト教、イスラム教、ユダヤ教などの一神教の考えを否定し、アメリカの日本への原爆投下を否定し、アメリカ人の「Godzilla(ガズィーラ)」の発音を否定した日本男児・芹沢猪四朗博士の応援を今後とも宜しくお願い致します。