シネラー

GODZILLA ゴジラのシネラーのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)
3.0
当時、劇場まで2回足を運び。
その後もTVで何度か視聴済み。
地上派で放送されたが吹替えなので、
円盤を取り出し、字幕で改めて鑑賞。
結論から言えば、
好きと嫌いが入り交じる複雑な映画だ。

嫌いな点としては、
やはり画面の暗さと
ゴジラの登場場面の少なさだ。
劇場で観た時には
特に映像の暗さは気にならなかったが、
自宅のTVでは終盤にかけての
怪獣バトルが本当に判別しにくかった。
そして、ゴジラと敵怪獣ムートー
の戦闘を終盤まで
描かないという作風は、
流石に観ている側を落胆させて
しまっていると思う。
人間ドラマ自体もかなり大雑把で、
それぞれのキャラクター設定が
生かされる事が殆どない。
渡辺謙が演じる芹沢博士が
広島の原爆に言及する等、
反核の要素も組まれているも
本作のゴジラの設定や最後に核爆弾を
爆発させてしまっている部分から、
やはりアメリカ映画だなと
日本人的に感じざるを得ない。

悪い部分を綴り過ぎてしまったが、
だからと言って本作を駄作として
切り捨てている訳ではない。
人の視点から怪獣達を描いている
カメラワークは素晴らしいと思う。
又、過去のエメリッヒ版と違い
しっかり日本版をリスペクトした
ゴジラを描いた事は評価できる。
特にゴジラの咆哮や放射熱線の場面
は大好きだ。
「We call him...ゴジラ」の場面は
いつ鑑賞しても鳥肌が立つ場面だ。

ゴジラが大好きだった子どもで、
『ゴジラ FINAL WARS』から
10年間新作を待ち望んでいた
私にとって本作は嬉しい作品ではある。
しかし、冷静な目で鑑賞してしまうと
決して一本の映画として優れている訳
ではないと思う。
個人的には、
リアルタイムで本作を鑑賞した
思い出を大切にしたいと願う映画だ。
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