なお

トランスフォーマー/ロストエイジのなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「トランスフォーマー」シリーズ第4作にして、新章「第2部」の幕開け。

主人公はサムからケイド・イェーガーというガチガチのエンジニアへとバトンタッチ。
物語の世界観や時間軸、設定等は過去作のそれを受け継いではいるが、過去作に登場した(主に人間側の)キャラクターたちは一切登場しない。

✏️Remember, Chicago
アメリカのみならず世界中を大混乱に陥れただろう「シカゴ決戦」から約5年。
正義のため人類に尽くしてきたオートボットと、己の野望のため悪の限りを尽くしてきたディセプティコンの区別や境界線は曖昧となり、「動く巨大ロボット=敵」という考えが市民の間に浸透。

これまでの人類に対しての功績はゼロとなり、むしろ人類から迫害されているという可哀想すぎるスタートを迎えるオプティマスたち。

迫害を受けるオートボットたちと、新たに主人公として登場したエンジニアのケイド(マーク・ウォールバーグ)、ひいては人類の間に友情は芽生えるのか…?という姿を追うのが本作最大のテーマ。

まず新たに主人公となったケイドだが、個人的には過去作のサムよりこちらの方が断然キャラクターとして好きだし、「トランスフォーマー」という映画作品の作風によりマッチしている気がする。

第1作では頼りないイメージだったサムが、作品を重ねるにつれオートボットたちの戦いをサポートする役どころになっていく…という成長物語もたしかに楽しいが、この「トランスフォーマー」という汗臭く男臭い作品にはやはりマーク・ウォールバーグのようなタフガイの方がよく似合う。

オプティマスたちの行方を追ってきた黒服グラサン集団にも怯まず立ち向かい、何なら途中からは自らも武器を持ってディセプティコンと戦う。
この「トランスフォーマー」シリーズには持ってこいのキャラクターではないか。

単なるタフガイなだけでなく、娘に対して若干過保護、今風の言い方をすれば「毒親」なお父さんというキャラクターを兼務しているのも良い。

トランスフォーマーの醍醐味といえる大破壊シーンも、これまたこちらの想像の遥か上を行くクオリティ。

前回あれだけシカゴの街をぶっ壊しておきながら、再びシカゴの街を舞台に戦闘を繰り広げてみせる。
前作よりもその破壊っぷりは控えめだが、マイケル・ベイはシカゴの街に何か恨みでもあるのだろうか?

肝心のストーリーや細かい演出についてはやはり大味である点は否めない。

オプティマス始め一部のオートボットに活躍シーンが偏りがちなのはこのシリーズの伝統なのか。

本作から「創造主」という存在が新たに登場してきたが、この「創造主」について本作で詳しい説明がされることはほとんどない。
次作にてさらに詳しい説明や解説が成されるのかもしれないが、仮にそうだったとしても「次回作ありき」とするにはあまりに説明がなさすぎる。

そして個人的に気になったのは、ジョシュアことあのハゲ。
初めは完全な悪役、黒幕だったのが中国に渡ったあたりから急に小悪党感がにじみ出てきて、途中からは完全に主人公サイド。
最終的にはケイドたちとハグまで交わして美人の中国人女性をゲッツ。
こいつ一体なんなんだ…

…ハッ、ついつい言葉が悪くなってしまったが、世界を混乱に陥れようとした黒幕、部下に散々なパワハラを働いてきたこやつが何のお咎めもなしで「…俺たち、やったよな」顔をしてケイドたちと同じ立場に居座るのは何とも留飲が下がらない。

他にも蛇足なコメディシーンや謎行動をし始めるキャラクターも多く、全体的に完成度の高い映画とは言い難い内容ではある。

☑️まとめ
そんな細かいことを言い出せばキリがないが、マーク・ウォールバーグという新たなスター級主人公の到来は新章の幕開けとして良い影響を及ぼしたことは間違いない。

マイケル・ベイ監督が描く大破壊シーンも4作連続で「こちらの想像を超えてくる」ものであり、娯楽大作として鑑賞する分には何ら申し分ない。
…が、やはり2時間45分という作品時間は普段映画を見慣れていない人にとっては長い気もするが。

最新作まで残り2作。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★☆

🎬2023年鑑賞数:79(36)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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