ハンコ課長

イーダのハンコ課長のレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
3.5
とても静かな映画。

白黒で4対3の画角で、しかも固定カメラ。首きりショットの連続だけど、そんなには気にならない。最後の最後にカメラが動くなんて粋だね。
絵作りやストーリーは、どことなく『ストレンジャー•ザン•パラダイス』を想起させる。

修道院で孤児として育ってきた少女が、突然身内がいると告げられて伯母さんに会いに行く。
その伯母さんが破天荒で、タバコ馬鹿スカ吸って浴びるように酒を飲んで男をたらし込む。それでいて検事も務めた国の功労者。
しかしそんな最強の伯母さんにも、度し難い過去があることが明かされる。
静かに進行していく中で、とてつもない悲劇が目を背け難い事実として降りかかってくる展開は見事だった。

結局は伯母さんも主人公も最後に
「もういいかな」
というコトバに集約されたと思う。
終わり方に何ともいえない清涼感があった。
ハンコ課長

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