rosechocolat

イーダのrosechocolatのレビュー・感想・評価

イーダ(2013年製作の映画)
4.7
モノクローム、寡黙な台詞、場面転換の早さ。1960年代のポーランドは今と比べたら格段に何もない世界、それに合わせて省けるだけの無駄を省き、シンプルに作り上げた効果が出ている。

修道誓願直前のイーダに、伯母がいるという報が来る。天涯孤独だと信じていた自分にできた、大胆な血縁者の存在は彼女を大きく揺るがしていく。
知ってしまった両親の過去、そして伯母にも真実がもたらされたその先に選び取った結末。全てを飲み込んだイーダの表情の晴れやかさに、彼女自身の救いを見る。

シンプルに、無駄なく、それでもこんなに映画は衝撃的だ。こんな作品が最近はめっきり減った。饒舌過ぎた、装飾ばかりの映画に胸やけがしているなら、これをどうぞ。飾り気のない凛々しさがどこまでも素晴らしい。
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