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ハリケーンアワーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ハリケーンアワー(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ハリケーンで病院に取り残されてしまう、父子の話。

パッと見は如何にもディザスタームービーですが、実際は病院の一室で話が進む、ちょっと変わった密室劇でしたね。

保育器に入った子供と取り残され、しかも保育器はバッテリーが壊れて、常に発電機を回し続けないといけない…というシチュエーション自体はユニークだと思いました。
ただ、これがサスペンスとして面白かったかと言うと、微妙なところ。

時間を気にして自由に動けないという設定が、ただの足枷としてしか機能しておらず、スリルよりもイライラ感が勝ってしまいました。
後でこれが育児のメタファーであると知って、なるほどな~と思ったのですが、そういう意味では育児経験のある人の方が共感出来て楽しめるのかもしれません。

また、自由に動けないという設定上、持久戦にならざるを得ないというか、なかなか新たな展開が起きない事も退屈に感じてしまう部分。
その分、回想シーンやポール・ウォーカーによる1人芝居で尺を埋めるわけですが、ポール・ウォーカーの芝居をじっくり見れたのは良かったですね。
感情を込めたシリアスな芝居も普通にこなせてるし、普通に良い俳優だな~と思わされましたよ。

惜しくも本作はポール・ウォーカーの遺作の1つになってしまったわけですが、最後の最後に彼の俳優としての実力が伝わる作品を遺せた事は、少なからず救いになる事でしょう。
『ワイスピ』のポール・ウォーカーしか知らない人には、是非見て欲しい作品です。
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