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フルートベール駅でのchaooonのレビュー・感想・評価

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
4.0
2009年の元日、米サンフランシスコのフルートベール駅のホームで、22歳の黒人青年が丸腰にも関わらず白人警官に銃殺されるという実際に起きた悲劇的事件を描くBLM映画。
BLM運動が拡大した2020年に鑑賞(忘れ物レビュー…✍️)

実際に当時現場で撮られた動画が流れ、映画が始まる冒頭シーン▶️
圧倒的現実というショッキングな場面からスタートする物語。
ごく普通の市民にすぎなかった青年が、なぜそのような悲惨な死を遂げたのか?
時間は事件の前日大晦日の朝に遡り、青年オスカーの最後の1日を描く。

家族や友人といつもの日常を過ごすオスカーの姿。
3歳の娘がいて、未来を共に築こうとするパートナーがいて、大晦日を一緒に騒ぐ友人がいて。
その日は大晦日というだけでなくて母親の誕生日で親戚が集まりパーティも。

決して聖人君子ではないオスカー。
浮気や嘘、遅刻が原因で定職もままならず、過去には服役の過去、ドラッグの売買…悪い面が結構多いな😂
だからと言って殺されて同然の人間かと言われたらそれは絶対に違う。
家族を愛し、他人にも思いやりを持って接し、人当たりもよく、理不尽なことに怒りを感じる。
(あのワンコの姿やオスカーのシャツについた血がその後の彼の運命を暗示してるみたいで、悲し過ぎた😭)
貧しさから這い上がり、自分を変えようと奮闘するオスカーの姿は人間らしい。
彼には人生があって、未来もあったはず。

そんな時に予期せず突然奪われた命。
母親の気持ちを思うと居た堪れなくなってしまった…演じたオクタビア・スペンサーはさすがよね🥺

どう考えてもあそこで銃を使う必要性は0だったのに…なぜ起きてしまったのか理解できないショッキングな事件。
でもそれ以上に殺人犯として検挙された白人警官の処遇があまりにも軽すぎる事実に震えた。

こういう題材は辛いけど、観て知らなきゃいけない内容。観てよかった。
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