かめたわし

ジュラシック・ワールドのかめたわしのレビュー・感想・評価

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)
3.5
恐竜好きには本当に楽しい映画でしたが、個人的には生命の扱いに切なさの残る映画でした。

人によって生まれた種や人知を越えた存在による支配階級の逆転と言う悪夢展開のはずなのですが、何故か怖くないのです。

おそらく、本来のジュラシックパークからある、飼い慣らせない本能や予測不可能な生命の恐怖・感動に、真っ向から対立する要素をプラスしているからかと思います。

人間の思うがままに動く発煙筒ホイホイのレクシィに、飼い主との「絆」で「本能」を裏切るラプトル、そしてそれらと共闘して「勝つ」。どうしても生命ではなく人の願望や傲慢さに添うキャラクターに見えるし、展開も都合のよいファンタジーでした。

人を甘やかさないために、ひたすら恐竜を自然・他者・恐怖として描き続けた前三部作を思うと、大分牙が抜けたような気がして切ないのでした。
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