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シンプル・シモンのMikiMickleのレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
4.2
アスペルガー症候群のシモン(ビル・スカルスガルド)は、人に触られるのも自分のペースを崩されるのも、人と深い関わりを持つのも嫌い。
嫌な事があると自分のロケット(ドラム缶改造したようなもの)に閉じこもる。
唯一の理解者は同居しているお兄ちゃんサムだけど、シモンのせいで彼女と別れてしまう。落ち込んで、生活ペースがめちゃくちゃに。
サムに理想の彼女を作るため、シモンは奮闘して探しまわる‼
そんな中、天真爛漫なイェニファーと出会い……

物理と天文学が好きなシモンは、よく物事を物理的に判断するんだけど、そのへんの見せ方が『天才スピヴェット』と同じで画面上に線や式が出て来て、あと、人の表情の分類とかも表されていて、シモンのものの見方がよくわかる。楽しい♪

というのは置いておいて、とにかくハッピーな気持ちになる映画です♪
アスペルガーという障害により重い映画になりそうなところを、全体のポップさとユーモアさ、そしてなによりシモンのひょうひょうとしたキャラクターで、ニコニコしてしまう。シモンがいとおしい。
イェニファーがまた良いのです‼天真爛漫破天荒、お茶目で、キュート‼優しさも兼ね備えていて♪
イェニファーとシモンのやり取りのシーン、笑ってしまう♪ 大好きなシーンだった‼

サムとシモンの関係性も良かった。二人の喧嘩がハラハラしたり。サムの気持ちもわかるし。

脇役も良い‼ ロケットから出てこないシモンをお金でつろうとする父親や、シモンの職場の同じく障害をもった仲間も愉快だった。障害を愉快だっていうのも語弊がありそうだけど、でもほんとにそう感じさせる。
障害を愛の溢れるユーモアで包んでいる映画です。まわりの誰しもが、差別や色眼鏡や偏見が全くない。

そして、アートワークがかわいい♪北欧好きとしてはたまらない♪
レトロなタイプのインテリアのシモンの部屋♪ 丸が大好きだから丸ばっかり。
それに対して、物が多くてごちゃごちゃしてるけど、なんとも楽しいイェニファーの部屋♪
赤と青が印象的♪
音楽もスウェーディッシュポップでかわいい♪

ウェス・アンダーソンぽくもある♪

ニッコリホッコリでちょっと泣く♪
すごい好き‼

監督・脚本・製作アンドレアス・レーマン
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