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太秦ライムライトのロビンのレビュー・感想・評価

太秦ライムライト(2013年製作の映画)
3.7
今年の元旦に亡くなられた「5万回斬られた男」の異名を持つ、故福本清三さん主演の作品。
ある意味、彼こそが“ラスト侍”だったんじゃないのかと思う。

時代劇という日本が誇るジャンルを支える人々にスポットを当てたドラマ。
斬られ役の名手として活躍してきた老いた俳優と、彼と出会った若手女優が育む絆も見所。
チャールズ・チャップリンの名作『ライムライト』を基にした物語でもある。

それにしても、昔はテレビのゴールデンタイムには数多くの連ドラの時代劇を放送していたが、ここ数年で完全に消え去ってしまった。
時代の流れとはいえ、なんとなく寂しい気持になる。。

主人公の香美山清一役の福本清三の眼光が、殺陣のシーンになるとめちゃめちゃ鋭くなるのが凄い。
そして"5万回斬られた男"と言われるだけあって、殺陣のシーンが本当に圧巻!
お得意の海老反りも一見の価値あり。
さらに、故松方弘樹さんとの共演もたまらない。
故松方弘樹さんの殺陣はやっぱりキレがあるし迫力が違う。

斬られる、死にゆくことの切なさと儚さを追求している斬られ役がいかに重要な役割であるかを思い知ったし、素晴らしい仕事だと思った。
殺陣の下手な役者でさえ、彼等斬られ役がしっかりしてるからこそ、まともに見えるのだから。

主人公が腕を痛めて挑む最後の殺陣のシーンは観てるこちらも身体に力が入る。
そして殺陣が終わり散りゆく桜と主人公の人生とがリンクして、胸が締め付けられ涙が止まらない。。
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