このレビューはネタバレを含みます
ライリーという1人の女の子の頭の中にいるのは、たくさんの感情たち。ヨロコビ、カナシミ、ビビリ、ムカムカ、イカリ。これらの感情たちが前に出たり下がったりしながら、ライリーが幸せに過ごせるように悪戦苦闘しているのだった。そんなある時、ライリーは両親の都合で住み慣れた街から引っ越すことになる。
頭の中にある感情たちのお話。感情たちのリーダーはヨロコビ。どんなことが起きても、プラスに捉えて楽しくしようとする。しかし、家の引越しで環境が変わり、気落ちするような出来事が重ね重ね起こってしまう。カナシミが思い出に触ると、過去の楽しかった思い出が悲しい思い出に変わってしまうと考えたヨロコビはカナシミを思い出から遠ざけようとする。しかし、カナシミが誤ってライリーの特別な思い出に触ってしまい、それをきっかけにライリーの心を支えていた特別な思い出と性格の島が崩れ始めてしまう。ヨロコビとカナシミは協力して、ライリーの心を復活させようと奮闘する。
生きている間はできるだけ楽しいことを考えて、喜びの感情で生きていたいが、常に喜びだけでいられるかというと、それは不可能だと思う。この物語を通して、悲しみがなければ喜びは生まれないということを感じた。たくさんの感情たち、それぞれが人間にとって必要不可欠なもので、何かが欠ければバランスが取れなくなる。また、喜びと悲しみは表裏一体で、どちらかだけが極端に起こり続けるということはないんだと思う。だからこそ、悲しいことが起きた時は、きっとその後良いことがあると信じて生きていく。喜びや悲しみ、たくさんの感情があることこそが幸せなのだと私は思う。
ラストのライリーが両親と再会して、特別な思い出を思い浮かべて涙を流すシーンは1番感動した。悲しみから生まれる喜びそのものだった。良い時も悪い時も、そこに感情が生まれることに感謝して、毎日生きていこうと思う。