プペ

ハウンターのプペのレビュー・感想・評価

ハウンター(2013年製作の映画)
2.7
極めて「微妙」で「絶妙」な映画だった。
酷い映画ということはないが、決して面白くはない。
が、独特の味わいはある、そういう映画。


主人公リサを襲うのは、奇妙な事実を″自分しか認識していない″という孤独と、家から出られない息苦しさ。
本作には、『CUBE』で描かれた″空間の閉鎖性″に、″閉ざされた時間″という要素が加味されており、なおさら閉塞感は大きい。
その絶望的な不安にこちらまで押しつぶされそうになる。
やがて、同じだったはずの日々は少しずつ変わっていく。

だが、その先にあるのは、家にまつわる忌まわしい出来事とリサ自身の悲劇。
彼女は状況を打ち破るために、その事実と果敢に向き合う。

リサを演じるのはミドルティーンになった『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。
戸惑いと恐怖、悲しみに身を置きながらも、得体の知れない存在に立ち向かう表情は凛々しい。

″もうひとりの少女″オリヴィアに会い、徐々に謎は解かれていくものの、ラスト近くになるまで鬱々とした雰囲気が続いていく。


タッチとしてどうしてもファンタジー色が濃くなる物語ゆえに、後半の邪悪な存在との対峙・対決もリアルさには欠ける印象で正直言って怖くは無い。
でも逆に言えば嫌悪感を覚えるようなことも無いので変な言い方かもしれないが、子供向けのダーク・ファンタジーとしては悪くないと思う。

家に閉じ込められたリサが辿る運命の結末は、是非その目で確かめてほしい。
プペ

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