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「エロ事師たち」より 人類学入門のyaaaのレビュー・感想・評価

4.0
「エロ」を商品化して売りさばくおっさんの話。非合法な商売に身を置く人々の世間との闘い的な分かりやすい構図かなと思ったら、主役のおっさんの人生にギューとフォーカスされていき、まあぐちゃぐちゃな感じ。だからこそ人間の営みが浮き出てきて娯楽映画から芸術映画まで網羅してる雰囲気。主人公の悪人でもなく善人でもなく、変な仕事してるけど普通の感覚もあるという重層的なのも奥深い。
しかし、単純に小沢昭一さんの軽快な芝居を観てるだけで前後どうであれ楽しい。漫談というかもうお笑い芸に近い。切り返しでない長回し風のカットだからの登場人物の軽快さは目だつが、「どっから撮ってんの?」のカメラポジションが凄ざまし過ぎて眠たくならない。
墓地を抜けた先に主人公の家があり、その裏には河が流れているという立体的なロケ地も楽しい。
職業における「エロ」ほとんど感じられず、違う意味での「丸裸」が面白い。
8ミリカメラを4台合わせて一気にブルーフィルム撮影するのは、一気にネガを4つ作成するということなのか、よくわからんが多分「業界あるある」なのかな。
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