atsuki

ベイマックスのatsukiのレビュー・感想・評価

ベイマックス(2014年製作の映画)
4.1
【正しさが生んだ優しさは…】

サンフランソウキョウと呼ばれる和をベースにした近未来の街に住む主人公ヒロとその兄タダシ、そしてタダシが制作したケアロボット『ベイマックス』や友人たちと主人公が苦難を超え心を通わせながら新たな気持ちに気付いていく。

今作は特にストーリーが変わっている訳ではなく、直球でまっすぐだ。しかしながら、どこまでもディズニー流石だなとしか言えない様な巧さを随所に感じるのが憎いところ。ヒロが住むサンフランソウキョウの和をベースにしているからこそ感じる親近感や日本人なら小さいころから見てる戦隊ものを思い起こさせるワクワク感はたまらない。

「想像は創造出来る」
タダシが作ったベイマックスは我々がたどり着かなければならない未来への第一歩だ。公式HPにあった「優しさで世界を救えるか?」という問いかけ。今日、我々の世界で起こる優しさを失った故に起こる醜い争い。この争いがいつから始まったかなんて知る事は出来ない。血は血でしか洗えないと言われる様に無限にも続く様に思える。タダシは名前から汲み取れる様に「正しさ」そのものの様な人間だ。両親を失った中で弟を思い、たとえ火事であろうと人を助ける為ならその中に飛び込む。何故かと言えばそれが「正しい」と思うからである。

「正義」とは字からなる様に「正」の正しさと「義」の利害をすてて条理に従うという意。ベイマックスが度々口にする「あなたを守ります」という言葉は何気ない様に見えて素晴らしい事だ。自分を優先するのではなく、とにかくまず相手を思い、助けるという行動。こういった事をタダシは世界の人々が全てこうなればいいという「想像」を託し、ベイマックスを「創造」したのだ。そして託されたベイマックスが与えるのは「優しさ」である。

ヒロは14歳で高校を卒業するほどの天才だ。自分は出来るとその力に驕っているヒロ。しかし、天才であるにも関わらず簡単で単純な事を見失っている。それは人を思いやるという気持ち、つまり「優しさ」だ。ここから進めるとネタバレになるのでやめますが、最初のあらすじにも書いた通りで友人たちと主人公が苦難を超え心を通わせながら新たな気持ちに気付いていく。まぁ新たな気持ちとは優し…「あーっと!」だからネタバレだって…

ディズニーらしい友情とヒーローらしいアクションの融合。単純ではあるけど、やはり一定量面白さを与えるのはディズニーの魔法かと思わされる一作であった。
atsuki

atsuki