とんでもない映画だ、こんなに揺さぶられるなんて思ってもみなかった。
予告編では多くは語られず、淡々と映像が紡がれている。趣味の合う知人に勧められていなければ、いかにフィンチャー監督作品でも再生ボタンを押すに至らなかったかもしれない。。。
ギリアン・フリン原作の同名小説を本人が脚本に入り、デヴィッド・フィンチャー監督が実写化、主演の夫婦をベン・アフレックとロザムンド・パイクが演じる。
5回目の結婚記念日の朝。主人公のニック・ダンは恒例だった妻・エイミーからの宝探しクイズが分からず、双子の妹・マーゴと経営するバーに気晴らしに来ていた。
そこに隣人から家の様子がおかしいと電話が入る。
すぐに帰宅すると飼い猫は外に出ており、ドアは開けっぱなし、リビングでは争った形跡があり、妻の気配がない。
警察に捜索願いを出し、失踪事件としてメディアを通じて捜査協力を呼びかける。
しかし、メディアからはニック自身が犯人であるかの様な扱いを受けてしまう。
エイミーは絵本作家としてある種有名である事も後押ししていた。
捜査は難航していたが、すこしずつ集まる証拠から、ニックの知らなかった妻の事やニックが明かさなかった夫婦間の問題などが明らかになり始め、、、
2時間半。
2時間半!?
長いと言われればまぁ確かに長いのだが、その中で何度も何度も何度も覆される思考。
少しづつ明かされては反対側へ思考をさせられ、それが何度も立て続けに起こり続けて気づいたら2時間半経っている。
これ系の話ではここまでやる人は見たことがないし、考えても実行はしない。
超弩級に狂気じみている。
その狂気さが、少しづつ進み、明かされていく過程の奇妙で霧がかったような、全体が見えそうで全く見えてこない不気味な雰囲気と相待って気味が悪い。
何を書いてもネタバレしかねないのでこの辺にしておくが、騙されたと思って是非観てほしい。騙されるから。