JONEY

ゴーン・ガールのJONEYのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

結婚記念日に妻が失踪。
行方を探す為に警察に捜査を依頼したり、義父母と共に情報提供を呼びかける会見を行ったりして手を尽くす夫・ニック。
しかし、完璧に見えていた夫婦に実は大きなすれ違いが起きていることが発覚していき、状況証拠から段々と彼に妻殺しの容疑が掛かる……

というざっくりあらすじ。



公開当時に映画館で見て、アマプラで再度。

世の中のアレとはだいぶ違うかもしれないのですが、わたしはこの作品を『ドタバタラブコメ』の方に分類しているんですけど。
夫・ニックの美しい『目当ての女性を手にいれる為の精一杯の背伸びをするものの、メッキが剥がれてボロボロ』『警戒心ゼロな女性への対応(含・講座の教え子でもある若い浮気相手)』なども、見ていて「お前、ばか!あほ!www」と笑いが込み上げてきてしまうし、一方、妻・メアリーの方も、親が執筆している”アメイジング・メアリー”という書籍の主人公のモデルであるということに恥じないようにと完璧を目指して生きてきたが、夫の不貞により完璧が崩れ、自身を軽んじられたと激怒し、彼を死刑台に物理的に送るべく長期計画を立てて遂行し、完璧に成し遂げたかに見えたが、気の緩みから思いもしなかった悪い方向にピタゴラスイッチしていってしまう(が、ただでは転ばない)様を見ていると「ガッツある!つよいぞメアリー!」とこちらも笑いが込み上げてしまうのだった。

劇場で見た時も再度配信で見た時も、やはり心惹かれたのは、昔馴染みのデジーという男性に自由を奪われそうになったメアリーが、彼に「誘拐・監禁・強姦」の濡れ衣を着せる工作した上で殺害し、逃走。そののち自宅に戻ってから、ニックと共にシャワーに入り返り血を流すシーンでの「君は人を殺した、人殺しだぞ」「私は戦士よ。戦って、あなたの元に戻った」というやりとり。
自分の身に起きたことを理解し、「あのアマ~~~」のようになっていたニックすらドン引きの表情を見せ、以降彼の立場と精神がどんどん追い詰められていく様がなんとも、こう、イイ。
メアリー、君、もうすこし手加減ってものが……という気持ちが湧かないわけではないが、彼がメアリーとの結婚生活の中で、何をして、何をせず、どんな不貞を働いていたかがわかっているので、ちっとも同情心が湧いてこないのも味わい深いですね。

お互いを愛し、慈しみあい、わかり合ったと思っていた女性が、自分の理解を超えたところにいる存在だと思い知らされ消沈するニックに向けられる「それが結婚というものだ」という言葉がまた、こう、イイですね。

語彙が少なく恐縮ですが、本当に面白いイイ映画です。
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