ふじこ

フランシス・ハのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

27歳でありながら非常に子供っぽく、良く言えば奔放に、悪く言えば行き当りばったりに生きる売れないダンサーのフランシスと、その親友であるソフィーの数年間の人生を描いた作品。

言動も幼く、好きか嫌いかで生きているようなフランシスはソフィーとずっと一緒に居たいけれど、ソフィーは年相応に先を見据え、フランシスと一緒に居るよりも自分のしたい事を優先する。
その所為で喧嘩になって気まずくなったり、実はソフィーは自由なフランシスに対抗意識みたいなのがあったりもしたけれど、それらを吐露してまた一緒にやっていこう!と約束。
…からの、翌朝酔いも覚め現実へと戻っていったソフィーを裸足で追いかけるも、彼女は行ってしまう。

そこでようやく自らの人生を見つめ直し、数年後。
一度は見栄を張って断った劇団の事務方と、ダンサーでは駄目だったけれど振付師として認められ、初めての公演。
今まで迷惑を掛けてきた知り合い達と、あの日愚痴を行って結婚する気はないと言った彼と夫婦になったソフィー。
劇団の偉い人に褒められながら、はれの日を観に来てくれたソフィーと話したくてウズウズするフランシス。わたしの大親友なんです、と。

きっちりと仕事をこなし、振付師としても道を歩み始めたフランシスは少し広い家に引っ越し。
郵便受けに入れる名前を綴る。
"Francis Halladay"
いざ差し込もうとすると横に長過ぎた為に、半分に折って入れる事にした。
"Francis Ha"


最後まで観終えると、良いタイトルだなあ~。タイトル回収がとってもおしゃれ。最初何かを言い掛けてやめるからこんなタイトルなのかな~と思って観始めたら、思いの外軽い感じ。
観ていて共感性羞恥で辛い処もあったし、離れていくのに"あなたはそのままで居て"なんて言うソフィーにちゃんと真実を言ってやればいいのに、なんて思いつつ、最後は前向きに爽やかに終わって良かったなあ。
86分なのも良い。あれ以上観ていたら流石にフランシスの大人になれなさに違和感を覚えるかも知れないし。
ずっとは無理だし、たまには軌道修正しながらも自分の出来る事を自分らしくやるのも良いかも知れないなって観終える事が出来た。流石に無軌道すぎたけれども。
ふじこ

ふじこ