Marie

ウォーリアーのMarieのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.6
文句なしに良い映画。
最後の最後、トム・ハーディの右手の動きをみて、涙が止まらなくなった。

格闘技のことはよくわからない私でも、一瞬の隙をねらう頭脳系の兄の闘い方と、パワーでガンガン攻める弟の闘い方の違いがわかる。だからおもしろい。試合のシーンでは、かなり手に汗握った。

この映画がすごいのは、格闘だけじゃなく、登場人物の心の動きが、染みるように感じてくるところだと思う。しかもその感情は複雑だ。「怒り」だけじゃなく「哀しさ」「淋しさ」「憎らしさ」「愛しさ」「誇り」…いろんな感情がごちゃ混ぜで、兄も弟も父親も、心がちっとも整理されていない。(そういえば、劇中に出てくるメルヴィルの『白鯨』でもそういう感情が描かれてる…)
きっと、人間の感情というものはそういうものなんだろう。しかも、自分に近ければ近い人ほど、相手に向かう感情は複雑になる。
そんな複雑な気持ちを、言葉だけではなく、演技で魅せてる。
今からでも遅くないから、映画館で上映するべき映画だと思った。
Marie

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